デリーのロックダウン4.0
先ほど、Kejriwal CMが会見をし、デリー独自のルールを発表しています。
- バスは20人以下という条件で運用再開。事前にスクリーニングを行う。
- タクシーは乗客2名なら利用可能。ただし、相乗りは不可。
- 結婚式への50人までの参加許可。お葬式は20人まで。
- マーケットはオープンするが、お店は奇数・偶数方式で交互に再開。
- 個人のオフィスは再開可能だが、基本的に家から仕事するように。
- 製造業などはタイミングをずらしつつ再開。建設業はデリー在住の労働者による活動のみ再開。
引き続き、禁止事項や再開しない業種は、以下の通りです。
- 宗教集会。
- 床屋や美容室。
- 感染ゾーンでのあらゆる活動。
- 午後7時から朝7時までの必須でない活動。
同僚の友人がZoomで結婚式を挙げたという話をしており、驚きました。ニュースを探していたら結構な数の人たちが既に同じことをしており、これが今後常識となっていくのでしょうか。
Lockdown 4.0 in Delhi: Shops to open on odd-even basis, public transport to reopen
Lockdown 4.0 in Delhi: What's open and what remains off limits
Delhi Lockdown 4: Delhi Lockdown 4: What's Allowed, What's Not
Delhi lockdown| Lockdown 4.0 Delhi guidelines: What's allowed and what's not [DETAILS]
案の定5月31日までロックダウン4.0
今日でロックダウン3.0終了で、もう既に分かっていたことですが明日から4.0です。先ほど、内務省が新たなガイドラインを出しました。色々緩くなっていますし、ゾーン分けや州間の移動などについて、各州への権限移譲が行われています。
- 公的な場での集会、学校、国内線・国際線フライト、モール、メトロ、レストラン、などは引き続き再開不可。
- 競技場(Sports complex)やスタジアムは再開許可。
- ゾーン間の移動は厳しく制限。州の間のバスや車での移動は両州の合意があれば可。
- 朝7時~夜7時まで以外の外出制限は継続。
- Amazonなどのオンラインショッピング再開可能。
- 床屋さんも再開可能。
これらの中央政府による決定を受け、デリー独自のガイダンスは、明日発表されるとのことです。中央政府との差分は、ショッピングモールのようで、デリーは再開したいとの意向だそうです。
ガイダンスはここから読めます。
What's New | Ministry of Home Affairs | GoI "MHA Order Dt. 17.5.2020 on extension of lockdown till 31.5.2020 with guidelines on lockdown measures."
Lockdown 4 guidelines: Here are the MHA guidelines for Lockdown 4.0 | India News - Times of India
国内移民の移動追跡システム
昨日、中央政府が国内移民の移動の状況を把握し、追跡するためのNational Migrant Information System(NMIS)を作成したと発表しました。これは、州の間での移動をスムーズにするための一貫した移民の移動管理システムであり、誰が誰と接触したかなどの情報も併せて得られる、とのことです。名前、年齢、電話番号、移動の日にちなど、既に州政府が集めている情報をアップロードするとのこと。一人に一つ、IDが付与されるのだとか。GISシステムを使って、誰がどこの州へ辿り着いたかがすぐにわかるそうです。
以前も書きましたが、移民の人たちの事故が相次いでいることもあり、こういった管理が進められているとのことです。徹底していますが、情報管理のレベルがかなり上がっています。
National Migrant Information System (NMIS).
National portal to track migrants' movement by trains and buses | India News - Times of India
アメリカとインド
インドは既に1か月ほど前に抗マラリア薬をアメリカに送ったという記事を書きましたが、医療の面での協力が進んでいるようです。
これも地政学的(geopolitics)な要素が強いのかと思いますが、トランプ大統領がModi首相に200個の人工呼吸器(ventilators)をインドに送ると表明し、友好を示しています。ただ、この人工呼吸器、一つ13,000ドルで、インドはこの費用260万ドル+輸送費を支払う必要があるのだとか。水曜日にModi首相が集めたPM Care基金のうち、2000 crore (200億)ルピーを人工呼吸器購入に、100 crore(10億)ルピーをワクチン開発に充てると発表していますので、ここから一部支出されるのかと思います。
ワクチンについては、Modi首相が昨日ビル・ゲイツ氏と電話会議をしており、インドの対応についても色々な意見交換をしたようです。Oxford大学の研究だと、お猿さんの治験で良い結果が出たとして期待が持てるようですが、一方で人によってウィルスが型を変えるため、ワクチンが見つかることは無いかもしれない、とイギリスのJohnson首相は述べていますし、ワクチンが見つかる日は来るのでしょうか。
また、Zoom利用制限の件では、結果としてMicrosoft Teamの代替が推奨されることとなったりしましたし、色々な面で、アメリカの影響というのがかなり大きいのでは、と思うことが続いています。
Oxford University Covid-19 vaccine shows promise in animal study
Coronavirus vaccine may never be found, warns UK PM Boris Johnson
電車に乗るにも検温
デリー駅では、プラットフォームに入る前に全身の体温を測るためのスキャナーが導入されたとのこと。症状を示した人については、直ちに隔離され、特別に常駐するお医者さんが診察するというロジだそうです。飛行機から降りた時のスキャナーはいつもザルだなぁと思っていましたが、この電車用のはきちんと運用されると良いですね。
デリーのメトロも再開に向け準備が進められています。Aarogya Setuアプリのダウンロードは必須で、これに紐づくQRコード式のチケット発行などもエリア拡大されるようです。既にセキュリティ上のボディ+鞄スキャンはありましたが、検温のスキャンも通ることが必要になるそうです。CCTVでの監視も強化され、床のあらゆる所に色のついた場所を設けることで、Social distancingを確実に実施するよう準備しているとか。
電車と言えば、先日、デリーからバンガローへ電車が到着した際、指定された場所で自主隔離するよう事前に言われていなかったとして、乗客が自主隔離を拒否するなど、混乱があったようです。Social distancingも何も無い、乗客が抗議する様子が報道されています。結局533人のうち、19人は次の電車でデリーに舞い戻ったそうです。州によっては政府が自主隔離場所を用意したり、自宅隔離となったり、ルールが違うので、混乱が生じています。
Indian Railwayは特別列車を優先して走らせるために、ロックダウン前に予約された6月末までのチケットもキャンセルすると発表しています。22日からは限定的なウェイティングリストに基づいてチケットが購入できるような仕組みになるそうです。
以前、「移動する」ということが如何に簡単だったことか・・・。
Chaos in Bengaluru railway station as passengers protest institutional quarantine - The Hindu
今後の飛行機旅
近く国内線再開を視野に入れ、国内の100にも渡る空港を管理する政府系のAirports Authority of India (AAI)が飛行機を利用する際のガイドラインを発表しました。AAIによると、守るべきルールは下記のようなものです。ただし、デリー、ムンバイなどの空港は民間が運用しているので、今後、一部違ったルールが出てくるのかもしれません。
- Aarogya Setuアプリのダウンロード
- ボーディングパスを自分でプリントアウト
- オンラインチェックイン
- 350ml までのサニタイザーを持ち込み、手を頻繁にキレイにする
- 他の乗員客と4フィート(約1.2メートル)の距離を置く
- マスクの着用
飛行機の中でマスクをつけるのは日本人だけ、と思っていましたが、今後はインド人も皆マスクをつけることになる、というのは不思議な感じです。アプリを利用すると誰が誰と接触したかがわかるので、プライバシーも何もありませんね。
ちなみに、いつ再開されるかはまだ決定されていませんが、政府はフライトを再開する場合、準備のために10日間の猶予を航空会社に与える、と述べているようですので、海外からの帰還者用のフライトや臨時便以外は、今の所、17日のロックダウン3.0終了と共に再開は無さそうです。それでも国内線は来月頃には再開を目指しているようです。
Aarogya Setu app, hand sanitisers mandatory during travel: AAI to passengers
Coronavirus Lockdown: Expecting Flight Resumption, Airport Authority's "Gear Up" Call To Flyers
マスクなどの密輸阻止
既にインド(や他の約80か国)では、国内での供給が不足しているため、マスクや手袋などの輸出を禁じています。そんな中、デリーの空港で、50万枚以上のマスク、95個のサニタイザーボトル(57リットル)、952枚のPPEキットが違法に中国、アメリカ、イギリス、サウジなどへ輸出されるのを阻止したそうです。更には、マスクを作るための材料が、梱包材という虚偽の申告のもと、中国に2,480キロ発送されるところだったとのこと。写真を見るとものすごい量です。
しかし、いつもテレビなどを見て思うのですが、こういったのはどのように発覚するのでしょうか。麻薬などのニュースを見ても、もちろん色々見逃される事も多いと思うのですが、いずれにしても今回の税関グッジョブです。
Delhi Customs seizes over 5 lakh masks and PPE kits heading abroad | City - Times of India Videos